肉屋の主人との出会い①

五反田アウスレーゼというSMクラブをご存じだろうか?

現在も存在しているようだが、私が通っていたのは17~8年前くらい。

最近時間もあり、HPを覗いてみたが、当時の面影は少なからず残っているのだが、恐らく私が通っていた時のオーナーはいなくなってしまったのだろう。

 私がそう思ったのは、良くも悪くも文面や案内に狂気さがなくなっていたからだ。

当時のアウスレーゼのオーナーはどこか『ぶっ飛んで』いて、HP全部が狂っていたし、オーナーが認めた客しかはいれなかった気がする。

 初めての客は五反田駅東口の公衆電話から電話をし、事務所まで行くのだが、まだ若かった私はかなり緊張して事務所に向かった。そして事務所には一見すると普通、でも話をするとかなりの狂気や恐ろしさを秘めた男と一時間程世間話をした。

 彼は女性を『肉』とたとえ、自分の事を『肉屋』と呼んでいた。肉屋とはその後も遊びに行く度に、必ず一時間程度話をするという奇妙な関係を持っていた。まだ、若かったこともあるが、彼の話を興味を持って聞いていた私のことを気に入ってくれたのかもしれない。彼と会話しているその部屋のカーテンの向こう側には、女性が待機している場所があり、全ての会話が筒抜けだった思うのだが、彼も私もそのような状態でかなり卑猥な話を聞かせるというエロチズムを楽しんでいたと思う。

彼からは、単なる挿入だけを求めるSEXの味気無さ、SMの世界の素晴らしさ等様々な話をした。最後までハードなSMの良さは全く理解できなかったが、『焦らす快感』『焦らされる快感』を含め、ある意味私の『性への考え方』を変える一つのきっかけを彼が与えてくれたのかもしれない。