銀座胡蝶花

自宅療養の間は、やることがなかった。

そんな中、以前何度か通った銀座のクラブの女性の言葉を思い出していた。今でもあるかどうかわからないが、「胡蝶花」というクラブである。

色々な遊びに飽き始めていた私は、じゃぁ、一回銀座のクラブという所にも行ってみようと思った。ただ、どのお店に行けば良いのか全くわからなかった。

とりあえず、銀座八丁目に向かった。銀座八丁目の夜8時。華やいでいた。通りには、ロースロイス、ベントレー。華やかで艶やかな蝶たち。どうしても、どこかのお店に入ってみたかった。それも超高級店に。

そこで薬局屋にはいった。なぜ薬局屋だったか覚えていない、ただ長年遊んできた感覚しかなかった。初老の店主がその薬局屋にはいた。栄養ドリンクを手に取って初老の主人に、「一度高級クラブに行きたいんです。ただ、どこのお店に行ったら良いかわからなくて」と伝えると、ご主人は「金、ある程度かかるよ。それでも良かったら紹介するけど」と言われた。

私「はい」

主人「じゃあ、ちょっと待っていて。連れて行ってあげるから」

その時は高級ソープでも8万円位なんだから、高くても5万円位だろうって思っていた。そこで連れていかれたお店が「胡蝶花」だった。薬局のご主人はフロアーマネージャーの藤原さんを紹介してくれた。藤原さんからは、指名なしで構わないのだったら8万円でなんとかしてあげるというものだった。高いと思ったが、断ろうとは思わなかった。