変化の始まり

目の前にあることを捌きながら、業務の勉強をしていても何も変わっていかなかった。上司の言葉があってから、1カ月、2カ月と月日が経つだけだった。本来の私の業務は内外のお客様との手続きや内部管理業務の見直しのはずなのだが、やっていることいえば、前任者の行った手続きの検証や既存の手続きを見ている(勉強している)というだけだった。

なんでそれを行なっているのか、なんでこのような形態になっているのか、自分自身でわかった部分もあったが疑問だらけだった。聞いても、邪見にされるだけだった。

そんな中、Google で自分の担当業務の勉強をしている際、Derivatives(デリバティブ)を検索していると、自分が担当しているInterest Rate Swapや Currency Swap、Option等以外にWeather DerivativesやCommodity Derivatives という、いわゆる降水量や地震、石油や金属関係Derivativesの直近のLONDONやNewYorkの文献・資料を読む機会ができた。当時はまだ日本では目新しく、商社や保険会社等が取り扱っていたが、銀行での取扱いは皆無だった。

それ以来、既存の勉強もしながらも、家に帰れば、MARKETに関連するレポート等を面白くて貪り読んだ。読めば読むほど、背景や目的、それに仕組み自体はとてもシンプルな商品で、複雑に加工したとしても、通常のSWAPやOPTION取引と何ら変わらないものということが2週間程の勉強でわかった。 ある日、その話を上司にすると、その話をトレーダーやアシスタントにしてみたらと言われた。