元上司との再会

数週間後、上司と会うことができた。

上司「今、何考えている?」

私「正直、これから自分がどうしていいか・・。仕事はやってます。ただ、今は物足りなさも感じてます。」

「できるという気持ちもあります。でも、自分がどの程度かわからないという気持ちも強いです。本当にどうしていいかというのが正直なところです。」

上司「お前は、人事部の評価低いからな。限界もあるだろうしな。やりずらいだろう。転職考えてみたらどうだ。ただ、うちの会社じゃ採れないぞ。」

「転職活動を通して自分のこれからを考えたらどうだ。」

正直ショックだった、部長の話はあったものの、会った時点で「うちに来ないか」って声をかけられるかもしれないという淡い期待を持っていた。その話がでてから自分の身の振りを考えればいいやっていう位の甘い気持ちの持ち主だった。

だから、失礼な話だが、その後の会話は漠然としたものだった位しか覚えてない。

今の部では、上司には恵まれていた。当初は、侮蔑的な態度だった部内の人達とも今はうまくやっていけている。トレーダーや関連各部とも当初とは全く違った環境で働けていた。言うなれば、元上司がいない今は、いろんな人から頼られる存在で、居心地は悪くなかった。

でも、生半可なことでは昇格できない位、人事部の評価が低いらしい(人事部の毎年の最終評価は、その銀行では本人には知らせられないのが通常だった)。ただ、部長・元上司の発言からもわかる通り致命的なのは明らかだ。

銀行という所は外からみれば、エリート職で、ホワイトカラーの典型的な職業なのかもしれない。ただ、それは順調に出世の階段をあがってきた者のみが受け取れる特権だ。

その銀行の中には、早ければ30歳で片道切符の出向が言い渡される。そして、私も何人も出世レースからはずれて、庶務的な仕事をしている中高年の銀行の先輩を見てきた。あの様にはなりたくないと入行当時から思っていたし、なるとは全く思ってなかった。ただ、銀行というところは、そんな出世レースから外れる事は、早ければ30歳、遅くても40歳代で訪れ、給料も半分程度になってしまう。そして、関連会社の庶務・警備などの仕事や、良くても、支店の入り口に立っているおじさんだというのがエリート職の大多数の姿である。

答えはすぐにでた、「転職活動はじめよう」

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