外資系への転職活動って?

ただ、転職活動なんてどうすればよいのか全くわからなかった。

そこでまずは、日経新聞の求人欄に載っていた日系大手証券会社の役職がつかないポストに応募した。その部署の面接は思いのほか順当に進んだ。部長面接も通過した。

部署の人からは人事部面接は形だけだからと話をされた。意外とすんなり決まるかもと思った。だが、最後の人事部最終面接で落とされた。日本の会社の人事部制度は未だによくわからない。一緒に働く部門の人間が採用に前向きな判断でいるのに、かたや業務と関わりない人事部の人間は何をもって判断しているんだろうという気持ちに今でもなる。
でも、その会社にはとても感謝している。転職活動の最初の時点で日系は無理だとすぐに思い知らせてくれたことに。

元上司にすぐに電話をして事情を説明し、転職活動を行いたい旨話をしてアドバイスをお願いした。

当時、外資系金融転職エージェント大手のマイケルペイジとロバートウォルターズにコンタクトをとってアドバイスしてもらえば良いと教えてもらった。

名前の通り二つのエージェントとも、全てが日本の会社ではなかった。

二社とも登録後、すぐに連絡が来て、最初の面談がエージェントの担当者と行われた。その面談は全て英語で行われ、1~2時間みっちりと現在の職務や転職理由、希望など徹底的に聞かれた。履歴書・職務経歴書も日本語・英文とも全て直された。

私がエージェントにお金を払うことはなかった。エージェントは私が転職先に入社後三カ月間継続勤務を達成できた時点で成功報酬として転職先から私の給与一ヶ月分が支払われる仕組みになっていた。だから、必然的に彼らは懸命に給与の高い会社を紹介してくれる仕組みになっている。そのため、担当者だけではなく、そのエージェントの別の人からも「この会社の面接を受けたらどうか、給与はこれ位もらえる」などの提案も頻繁にあった。

通算すると、TOTAL10社程度の面接を受けた。最初から全く相手にされていない雰囲気の会社もあれば、理由もわからず自然に面接予定自体が消滅してしまった会社もあった。

そんな中で、すぐに気が付いたのが、自分の英語力の弱さであった。日常会話であれば、Ⅰ時間でも2時間でも普通に英語を話すのは特に問題ないと思っていたが、金融や金融システムの会話をNativeとするとなると、語彙力・スピードに圧倒的についていけないと思った。

そこで、面接を受け続けると同時に、想定される質問と回答を英語で全て暗記した。多分、本来の趣旨からしたら「反則」だとは思うのだが、そんな手をつかっても転職したかった。