日系と外資系

4人が抜けて、後任の募集をかけている最中に事件が起きた。

通常は、5つの業務を私以外の9人で回している業務である。それを私も含めて5人で回さなくてはならなかった。ただでさえギリギリでやっている。アジア地域からサポートがあるといっても、日本の顧客は、日本語で対応して欲しいとか、海外からの説明では不十分だなんてことを言ってくる輩であふれている。やっていることはマーケット業務で顧客の殆どは機関投資家なのに、それでもこんな状態だった。

そんな中、1人が緊急入院することになってしまった。インフルエンザとかであれば、家からリモートで働ける環境に当時からあったが、入院となると話は別だった。

ただでさえ大変なのに、イレギュラーな債券取引が発生した。そのため、私と一人のスタッフが手続きを誤ってしまったがために、数千億円の債券取引が会社の勘定科目上喪失した事態がおきてしまった。東京の勘定から消えていることはFINANCE等からのサポートでわかったが、どこに潜んでしまったかわからない。

結局解消には、一週間程度要してしまった。そのため、関係各部には多大な迷惑をかけしまって、正直「まずい。日本の銀行だったら異動?」と思った。ドラスティックにやりすぎたかもとも思っていた時に、アジア統括から電話がかかってきた。

「結構でかいこと引き起こしたみたいだね。こっちでも話題になっているよ。でも、お客さんに迷惑かけてないんでしょ、問題ないよ。俺からもいろんなところに謝っておくから、これからも気にせずやりな。あっ、そういえばお酒飲むでしょ?今度日本行く時、珍しいウィスキー持って行くから。」と笑いながら話をしてくれた。

外資系でも各社によってカルチャーは違うと思うが、なんとなく日系と外資系のカルチャーの違いが徐々にわかり始めてきていた。

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