出会い系サイトを皆さんはどの程度利用したことがあるだろうか?
むかーし、昔のはるか昔は、「テレホンクラブ(通称テレクラ)」から始まり、その後、伝言ダイヤル、ツーショットダイヤルへと時代は動いていった。どの遊びも最初は、本当に良かった。実際に多くの素人があふれ、やりたい放題だった。それも、相手によっては、受験勉強のお手伝いという出会いもあったし、年上のお姉さんに食事や身体をご馳走してもらったり、若奥様の不満の解消につきあったり、単にホテルに直行しましょうというケースもあった。
極めつけは、女子〇生二人との3Pだった。某郊外の駅で待ち合わせをして、所謂モーテルで過ごした時間は、何発したか覚えてない位、堪能した。
ただ、どれも時間の経過とともに、『素人から玄人へ』と変わってしまう。儲かると思った業者の皆さんが、素人女性のふりをして、電話をかけるところから始まる。彼女たちは、決まった料金・指定された駅付近のホテル直行しか許さない、なんの面白味もない『風俗店』に変えてしまったのである。
でも、これでもまだ良い方だった。一番最悪だったのは美人局だった。ある郊外の駅のテレクラで可愛い声の娘と待ち合わせした。待ち合わせ場所に現れたのは、クラスに一人いるかいないか級の娘だった。彼女と、お茶をしてからホテルに向かったのだが、お茶をしている最中から、「これからこんな娘と出来るんだ」ということで舞い上がっていた。
彼女からは、代金は、二万円で良いけど、前に男の人にホテルから逃げられたことがあって、怖いから、今、代金が欲しいという話があった。普通は、私もホテルでしか渡してなかったが、彼女の美しさで二万円は安いと思ったので、その場で代金を渡した。
それから、二人でホテルに向かった。すると、ホテルへ行く道中で、如何にも悪そうな輩が二人突然のように登場。何を言われたかは今では覚えてないが、一目散に走って逃げ、Ⅰ時間程、身を隠していたのを今でも忘れない。
そして、日が経ち、退職後、久しぶりに遊ぼうかなと思い、〇〇MAX、〇〇〇〇メールで相手を探してみようと思い、一万円以上を課金した。
以前と同じように、かなりの業者感がした。ただ、その中で、東京郊外に住むトリマーを目指しているという娘がいた。一緒に食事してからホテルに向かうということで、事前に合意してあった。待ち合わせ場所は、渋谷のモアイ像のところだった。
私は、向かった。彼女も向かっているという連絡が来ていた。私は、到着したところで、彼女から連絡があった。「早めに着いたから、東急本店にいるの。東急本店の前にあるタリーズの前で待ち合わせにしよう。着いたら私も行くから、連絡を頂戴」だった。今の私や遊んでいた頃の私だったら、ここで「何か変だ」の嗅覚が働いていたと思うが、久しぶりであったがために感覚が鈍っていた。
私は、タリーズの前に着き、彼女に連絡をすると、10分で彼女は出現したのだ。明らかに30代後半より年齢を重ねた巨大生物だった。彼女から「○○さんですよね、行きましょう」と声をかけられた。私が発した言葉は、『無理。帰るわ』。
彼女は表情が一気に変わり、「無理って何?キャンセルするんだったら、交通費5千円よこしな」だった。私は、「意味わからない。」と言い、駅方面へと踵を返した。彼女は、私のバッグに手をかけながら、「今、若い人たち呼ぶから、待ちな」と言いながら、電話をかけていた。
今から、考えるとタリーズ東急本店前店は、実に巧妙に練られた場所だった。駅まで遠いこと、交番も遠いこと、人通りも渋谷では少ない事。
こんな状況でも逃げることを考えていた。いや、逃げるという表現は良くないだろう。俺は全く悪いことをしてないし、彼女から何のサービスも受けてないのだ。つまり、この状況から離れることを考えていた。ただ、バッグは彼女に掴まれている。
咄嗟に、近くのラーメン屋にはいった。その店は、最初に食券を買う仕組みだった。自分の分の食券を買い、カウンターの席に座った。彼女は、私後ろに立ったままで「交通費5千円」という言葉を繰り返していた、それも大声で。お店の他の客も店員さんもシーンとしていた。お店も8割がた埋まっている状況でそんな異常な事態が5分位続いた。
私自身がいたたまれなくなった。完全に彼女に負けた。5千円札を床に投げ捨てた。彼女は怒るかと思いきや、「ありがとう」と言ってお札を拾い、店を後にした。
今から考えると、彼女の心臓の強さは称賛に価すると思ったが、えっ、彼女たち(裏についている男の人達を含め)は、ここまでして5千円しか入らないのか、割良くねぇーな、機会があればアドバイザーでもしたいと思う。 くれぐれも皆さん、タリーズ東急本店前での待ち合わせには気をつけましょう。ただ、出会い系の時代は終わりました・・・