TOKYO CHISAI

皆さんは、裁判に関わったことがあるでしょうか。普通に生活している方はないと思います。
関わりたくないが正直な感想ですよね。

私は、この10年位、平日に予定がない日には、霞が関にある東京地裁に裁判の傍聴に行ってます。東京地裁では、一日数百件の裁判が行われ、多くの裁判は流れ作業のように進んでいきます。その中でも、刑事事件の被告人質問や民事事件の損害賠償請求事案は、当事者間の意見がぶつかる時もあり、映画やドラマを見るより面白い場面に遭遇したりします(ただし、現在は当事者がマスク着用のため表情が読み取れず面白さも半減してしまいますが)。

東京地裁の裁判では、大多数を占めるのが、金融機関や不動産会社が原告の民事裁判です。これらの裁判は立ち退きや金銭貸借に関するものが殆どであるため、傍聴するといった点では面白くないです。それ以外では、いわゆる個人間の損害賠償請求です。傍聴すると、「なんじゃ、こりゃ」といった裁判も多数ありますし、「あら~?弁護士のレベルなんてこんなもんなんだ」といった裁判も多数見られます。あと、日に数件起きているのが、発信者情報開示請求という裁判です。私が先日傍聴しに行った際にも、2件同様の裁判が開かれていました。

では、たくさんの商品や企業、著名人がSNSにさらされている今、彼らが原告になっている損害賠償訴訟(名誉棄損に関わる裁判)はあるかといえば、見当たりません。たまにはあると思いますが、著名人のSNS上の占有率はとてつもない数値であり、ネット上では誹謗中傷であふれていると思います。しかしながら、恐らく全名誉棄損(威力業務妨害もしくは偽計業務妨害を含む)の裁判事例の1%にも達しないと思います。では、なぜそんな裁判は起きないのか?どう思いますか?これは、あくまで私見ですが、著名人の場合は、ファンの存在や「露出してなんぼ」ということが、最優先するからだと思います。

では、著名人ではなく企業はどうか?民間企業としても、商品を著しく不合理な理由でネットにおいて叩かれていたとしても、更に言えばサービスや不祥事等について真実と離れていることがネット上論じられても「訴訟」に踏み込むことはありません。それは、「お客様」を簡単な理由で訴えることはしないからです。そんなことをする奴を「客」として考えられないというのも一つの考え方なのかもしれません。ただし、あくまで保守的な考え方をもって対応するということが社会的責任であると思います。

所謂、風俗店も同様です。原告となっている裁判を正直見たことはありませんが、あったとすれば「東スポ」ネタになるかもしれませんね。

日本には、「表現の自由」が日本国憲法で保障されております。表現の自由に相対するものに「名誉棄損」「侮辱罪」があり、場合によっては刑事上の訴追を受ける可能性もありますが、多くは民事法廷で争われます。

「表現の自由」の行き過ぎた行為として、当事者(原告)は、裁判を起こす権利を有して、争うことができます。「表現の自由」に対抗できる手段としての「裁判を起こす権利」です。では、その訴訟関連費用はと言うと、企業はその費用を営業外費用として計上できます。また、個人事業主だとしても事業に直接的に影響するもとすれば、大部分もしくは100%経費計上できるのが現実です。

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