実際にチームメンバーの業務を理解しようと思って業務マニュアルや手引書、システム概要書などを提出するようにお願いした。
システム関係の書類は至って簡単に受け取れることができたが、皆が揃いもそろって同じようなことを言った。
「システム関係の書類は、システム構築された時に配布されるのですが、その後何度も改訂されたり、日本では一部しか使ってなかったりであんまり役に立ちません。だから参考までということで私たちも理解してます」
マニュアルに至っては人それぞれで、分厚いのもあれば、人それぞれだった。そして、皆が一様に、本社には会社としてのものがあるそうですが、ローカルでは会社として揃えてないという言い草だった。
金融庁検査や日銀検査ではマニュアル提出が義務であるのを知っていたので、それを聞くと、「上の人達が対応していたので、わかりません」という反応だった。
そこで、他のチームのManagerに聞いてみると、回答がチームによってバラバラだった。
「うちは、何もアップデートせず、口頭でなんとか乗り切っている」という人もいれば、「うちのチームは毎年マニュアルちゃんとアップデートしているし、ちゃんとしているよ」というチームもあった。日系企業では信じられない状態だった。
今の状態がわかったところで、仕事を理解しようと思い、メンバーから提出されたマニュアルを貪り読んだ。良くわからないというレベルではなかった。全くわからなかった。
次に、それぞれのメンバーの横に座った。丁寧に説明してくれる人もいれば、丁寧すぎて良くわからないという人もいる。そして、教えることは私の仕事ではないと言い張る人もいる。教えてくれるけど、ポイントだけという人もいる。頭を抱えた。果たして、チームの仕事はいつ理解できるのだろうか。