今まで起きていること、今思っていることを正直に部長に話をした。
部長からは、
「実は、○○さんに担当してもらっているManagerのポストは、一年以上継続して働いている人がもう何年もいないのですよ。GLOBALにもずっと問題になっていて、正直わかる人がいないのが現実です。
今の切り口でかまいませんので、がんばってもらえますか。○○さんのことについては、そういった事情も考慮していますので、長い目で見ていますから。」
長い目と言われたことで喜んでいいのか、それとも「怒る」べきかの心境だった。
その数日後、アジア地区の統括と部長との間でミーティングがセットされて、この問題が話し合われた。
統括からは
「先日の話を部長から聞きました、今やっていただいている通りやって下さい。外資系の社員というのは、みんな特別な存在になりたがるのです。日本の会社と違って、簡単に首になります。だからみんなマニュアルを作りたがらないのです。他の人が知らない・出来ない業務があればあるほど、特別になります。特別になれば、首にならないと思っているのです。ただ、そこのチームは目に余ります。
今まで、Managerを入れ替えたり、内部監査室を使ったり、アジアとの協働を強化しようとやってみましたがうまくいきませんでした。
色々障害になる人がいれば、首にしてもらってもかまいません。必要なサポートがあれば、ある程度の資金を使ってもらって構いません。それに、アジア地域から人的サポートもしますから、遠慮なく言ってください。実は、前回の金融庁検査でも大変厳しいことを言われていて、待ったなしなのです。」
その時には、もうやるしかないという気持ちだった。そして、同時に日系では全くありえない、スピード感、人事権限、資金の使い方に初めて触れた瞬間でもあった